Q 病院で亡くなったら何をする?葬儀までの流れは
現在の日本では自宅で亡くなる方は少なく、7割弱の方が病院で亡くなります。今回は多くの方にとって他人事ではないであろう、「病院で亡くなってから葬儀までの流れ」についてご説明します。
死亡宣告
心臓拍動停止、呼吸停止、瞳孔散大・対光反射停止の3徴候を確認して、死亡宣告がなされます。
末期の水
末期の水は故人が安らかに旅立つことを願って行われる仏教儀礼で、臨終に立ち会った遺族や親戚が、濡らしたガーゼや脱脂綿を使って故人の唇を湿らせます。末期の水は逝去時に必ず行われるわけではなく、宗教や宗派によって行わない場合もあります。
エンゼルケア
医療器具を外す、清拭を行うなど、逝去直後のご遺体を処置することをエンゼルケアといいます。着替えをしたり、死化粧を施したりする場合もあります。病院で亡くなった場合は病院の看護師や提携業者がエンゼルケアを行います。 以前は口、耳、鼻などに綿を詰めることが一般的でしたが、最近は行わないケースも多くなっています。
葬儀会社に連絡
ご遺体を安置場所に移動するために、葬儀社に連絡して遺体の搬送を依頼します。一般的には葬儀を依頼する葬儀社に搬送もお願いします。搬送と葬儀をそれぞれ別の葬儀社に依頼してしまうと、搬送料金が割高になる場合があります。
死亡診断書を受け取る
病院から死亡診断書を受け取ります。死亡診断書には故人の氏名や死亡日時、死因などが記載されています。死亡診断書の右側半分は死亡届となっていて、届出人(親族・同居者等)が必要事項を記入して、役所に提出します。死亡診断書は保険金や遺族年金を請求する際にも必要となるので、役所に提出する前にコピーを取っておきましょう。
ご遺体の安置と僧侶への連絡
ご遺体はご自宅や葬儀式場で安置することが一般的です。葬儀式場で安置する場合は安置代金が必要となる可能性があるため、事前に費用を確認しておきましょう。
安置場所に布団を敷き、頭を北に向けてご遺体を安置します。ご遺体の変質を最小限に抑えるために、ドライアイスや保冷剤でご遺体を冷やします。枕元に白木の経机等を設置し、香炉・線香・ろうそく・花などを供えます。これを「枕飾り」と呼びます。枕飾りには祭壇としての役割があります。
安置後は菩提寺(ぼだいじ:お付き合いのあるお寺)に連絡して枕経をあげていただきます。僧侶の都合を確認してから葬儀日程を検討します。
葬儀打ち合わせ
葬儀社スタッフと打ち合わせを行います。日程、葬儀会場、葬儀プラン、遺影、祭壇、棺、仏衣、香典返し、通夜振る舞い、宿泊人数などについて検討し、見積書を作成してもらいます。見積書を確認して内容を決定します。
死亡届の記入
死亡届の記入を行います。死亡届は故人の死亡地又は本籍地、もしくは届出人の所在地の役所のいずれかに提出します。死亡届の提出を代行している葬儀社もありますが、代行費として別料金が必要となる場合があります。
葬儀の連絡
親戚や故人の友人、仕事関係者などに葬儀の日時や会場を伝えます。新聞のお悔やみ欄に葬儀情報を記載する地域もあります。
湯灌・納棺
湯灌(ゆかん)はご遺体を清めるための儀式です。葬儀社や葬儀プランによってはオプションメニューとなっている場合があります。湯灌には、アルコール綿でご遺体を清める「古式湯灌」と、湯船やシャワーでご遺体を清める「洗体湯灌」があります。ご遺体を清めた後は宗教に合わせた死装束を着せ、男性は髭剃り、女性はお化粧を施して棺に納めます。
葬儀会場へ移動
自宅に安置している場合は葬儀会場に移動してお通夜を行います。式場安置の場合や自宅で葬儀を行う場合、移動は必要ありません。